【スタッフインタビュー】文化の違いを越えて——異国の地で築く介護のかたち
中国から日本へ。 言葉も文化も違う中で、介護という仕事に出会い、学び、そして今、現場で輝いている——。 その歩みには、たくさんの努力と、あたたかな想いが詰まっていました。
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S世話人 |2023年入社グローバルホーム小山所属 特技はサッカーで大学時代にはサッカー部のキャプテン。スポーツや筋トレなど休みの日は身体を動かすことがほとんど。
Sさん今日は宜しくお願いします!簡単に自己紹介をお願いします!
Sと申します。中国出身で、中国の大学では機械工学を専攻していました。卒業後中国の鉄道会社で設計図の図面化の仕事をした後、2014年~2018年までは自身でパン屋を経営していました。
日本に来てからは日本語学校に2年間通い、介護福祉医療専門学校に進学し、介護福祉士の資格を取得しました。専門学校在学中からグローバルホームでアルバイトとし働き始め、卒業後の2023年4月からは正職員として勤務しています。
もともとパン屋さんで働かれていたとのことですが、どのタイミングで福祉の仕事に興味を持ち始めたのですか?福祉の道に進もうと思ったきっかけがあれば教えてください。
現在中国でも高齢化が進んでおり、今後さらに深刻化すると感じています。そんな中で、日本は福祉事業において世界でもトップクラスの先進国だと思い、日本で福祉に関わる仕事を学びたいと考えるようになりました。アルバイトとして働いてた時に職場の雰囲気が良く、通いやすさや人間関係の良さを感じる中で、自分自身も成長できる環境だと思い、正社員として就職したいと考えるようになりました。
普段の業務について教えてください。食事の支援など日常的に担当されている業務の中で、世話人のお仕事として特に多いものやメインとなる業務はどんな内容ですか?
世話人としての主な業務は、食事の買い出しや準備、病院への送迎・同行、記録の作成、そして家事支援です。病院への同行では社用車を使って送迎し、ご利用者様と一緒に医師の話を聞いてスタッフに共有しています。
記録業務では、食事の完食状況や残食の割合、体調不良時の血圧や体温の測定結果などを記録し、必要に応じて看護師に報告して指示を仰ぎます。家事支援は週に2回、2人体制でご利用者様のお部屋の掃除を行っています。
このお仕事の中でどんなことを期待されていると感じますか?『自分にはこういう役割を任されているな』『こういう部分を期待されている』と感じることがあれば教えてください。
最近はタイミー経由で応募をされるスタッフも増えていて、5月以降は特に受け入れ対応を任せていただけることが多くなりました。初めて来る方にも、1日目からスムーズに仕事ができるように、業務の説明やレクチャーを行っています。
日によって業務内容は異なると思いますが、メインとなる業務の流れについて教えてください。例えば、午前・昼・夕方の3つの時間帯に分けると、それぞれどんな業務をされることが多いですか?
SCHEDULE
出勤
体調確認(血圧・体温)、病院送迎・同行
食事準備、買い出し
昼食準備
昼食提供・食事記録
スタッフ対応(業務説明・レクチャー)/掃除支援(火・土)
ランチ休憩♪
ご利用者様との交流
夕食準備
夕食提供、体調記録
看護師との連携業務報告まとめ
退勤
お仕事をされる中で、特に気をつけていることや意識していることがあれば教えてください。
ご利用者様との関わりの中で、相手の尊厳や気持ちを尊重することの大切さを強く感じています。ある日、夕食を食べないとおっしゃった方に対して、安全面を考慮して「どこに行きますか?」「何時に帰りますか?」などと質問を重ねたところ、少し不快に思われてしまったようでした。
心配だからこそ良かれと思って聞いてしまうことってありますよね、、
自分では良かれと思って聞いていたことでも、相手にとっては聞きすぎと感じられることがあると気づき、距離感や言葉の選び方をより意識するようになりました。個別ケアの観点からも、ご利用者様一人ひとりの性格や対応の仕方を理解し、記録を通じてチームで共有することが重要だと感じています。
それではグループホーム小山の雰囲気について教えてください。最初はアルバイトとして入社され、会社の雰囲気が合っていたので正社員に雇用転換をしたと伺いましたが、実際に働いてみて、Sさんから見た職場の雰囲気はどんな印象ですか? また、中国での勤務経験や日本のレストランでのアルバイト経験と比べて、今の職場ではどんな違いを感じますか?
今の職場は、家庭のような温かい雰囲気だと感じています。同僚というより、家族のように接してくれる方が多く、特に女性スタッフの皆さんが、言葉の意味や業務の細かい部分まで丁寧に教えてくれました。
最初の頃は言葉の意味を理解出来ないことで戸惑うこともありましたが、周囲の方々が嫌な顔ひとつせず、気兼ねなく質問できる環境を作ってくれたおかげで安心して学ぶことができています。とても勉強しやすく、温かい職場だと感じています。
仕事における今後の目標について教えてください。
仕事の目標としては、まずは「事故ゼロの徹底」を目指しています。具体的には、誤薬や薬の飲み忘れなどのトラブルを防ぎ、ミスのないスムーズな業務を心がけています。
また、定性的な目標として、ご利用者様が安全で安楽な生活を送れるよう、質の高いサービスを提供することを大切にしています。ご利用者様が安心して気持ちよく暮らせる環境づくりが、何よりも重要だと感じています。
個人としての目標は、日本語力の向上です。特に、説得力のある説明や電話対応、新規入居希望者への見学対応、個別援助計画の作成など、より専門的なコミュニケーション力を身につけたいと考えています。
そのうえで、将来的にはサービス管理責任者(サビ管)の資格取得にも挑戦したいと思っています。さらに、これまでの経験を活かして、社会福祉士の通信課程にも進み、受験資格を得て資格取得を目指したいと考えています。
言葉の壁や慣れない環境の中でも、前向きに努力を重ねてきたSさん。 介護への真摯な想いと、人と向き合うあたたかさが伝わってきました。 異国での挑戦は決して簡単ではないけれど、目標に向かって一歩ずつ進む姿はとても力強く、 その歩みの中に、やりがいや人とのつながりの大切さが詰まっていました。